ルール10 審判員

10-1項  権限と義務

  審判員は協会の代表であり、特定の試合を割り当てられ、このルールの各条項を

 実施する権限を与えられている。

  審判員は、プレーヤー、監督、主将、あるいはコーチに審判員の判断でこれらの

 ルールの一部またはすべてについて強制したり、指示したりすることができる。 

  球審は、ルールで特に規定されていない、いかなる状況についても決定する権限を

 持っている。 

●審判員についての一般的な知識

  1.審判員は、両チームのメンバーと関係があってはならない。

  2.審判員は試合の日時、場所を確認していなければならず、所定の時刻までに

   球場に到着しなければならない。

  3.男性および女性の審判員は次の服装を標準的なものとする。

  (1)審判服はパウダーブルーの半袖または長袖シャツ。

  (2)ダークネイビーブルー(濃紺色)の靴下。

  (3)ダークネイビーブルーのスラックス。

  (4)前面にJSAの白文字の入ったダークネイビーブルーの帽子

  (5)ダークネイビーブルーのボール袋(球審のみ)

  (6)ダークネイビーブルーのジャケットまたはセーター。

  (7)黒い靴とベルト。

  (8)パウダーブルーのシャツの下に白いTシャツ。

  4.審判員は、危険を引き起こすおそれのある装飾品を身につけてはならない。

  (注)医療用のブレスレットまたはネックレスを除く。

  5.球審は、ストローガード付きマスクをつけなければならない。また、ボディ

   プロテクターとレガースをつける 。

  6.審判員は 監督・主将・スコアラーに自己紹介をする。

  7.審判員は、球場の境界・設備を点検し、すべてのグラウンドルールを両チー

   ムと監督に明確に知らせておく。

  8.審判員は、試合が終了するまでのプレイ中やプレイ停止中に起こった違反に

   ついて、決定する権限を持つ。

  9.審判員は、このルールに定められている通り、それぞれの権限を超えること

   許されず、他の審判員によってなされた判定に干渉したり批判したりする権限は

   ない。

  10.審判員は、いつでも他の審判員と協議してよい。しかしながら、最終的な判定

   は、当然その判定をなすべきであった唯一の権限を持つ審判員にある。

  11.審判員の任務を明確にするために、ボールやストライクなどを判定する審判員

   を「球審」、ベースについて判定する審判員を「塁審」とする。

  12.球審または塁審は、次の事項については同等の権限を持つ。

   (1)走者が塁を離れたための“離塁アウト”の宣告。

   (2)プレイ中断のための“タイム”の宣告。

   (3)ルールに違反したプレイヤー、監督やコーチに対する退場命令。

   (4)不正投球の宣告。

   (5)インフィールドフライの宣告。

  13.審判員は、ルールに従って打者または走者をアウトにする場合は、アピールを

   待たないで決定できる。

  (注)審判員は、走者の塁の空過、飛球に対して走者の離塁が早過ぎたとき、

    打順の誤りがあったとき、打者走者が一塁通過後に二塁へ向かおうとした

    とき、無通告交代(不正交代したとき)、代替プレイヤー違反があったとき、

    不正再出場したとき、DP違反があったときは、アピールがあってから適切な

    処置をする。

  14.審判員は、ペナルティを課すことが違反したチームに有利になる場合は、

   ルール違反を理由にそのチームにペナルティを課してはならない。

  15.審判員がルール10を完全に履行しなかったことを理由に抗議してはならない。

    これらは審判員への助言である。

 

10-2項  球審の任務

  1.球審は、捕手の背後に位置し、試合の適切な運営のために全責任を負う。

  2.ボール・ストライクを宣告する。

  3.球審は、塁審と協力してプレイ、フェアかファウルか、合法的に捕球されたか

   どうかを宣告する。

    塁審が打球を追ったために塁での判定が出来ないときは、その代わりを務める。

  4.球審は、次の事項を決定する。

   (1)打者がバントしたかどうか。

   (2)打球が身体や打者の衣服に触れたかどうか。

  5.必要なときに塁を与える決定をする。

  6.没収試合を決定する。

  (注)没収試合の結果は、宣告後48時間以内に球審が大会責任者に書面で報告し、

    主管協会に報告しなければならない。

 

10-3項  塁審の任務

  1.塁審は判定をするのに、最も適していると判断される位置につく。

  2.塁審は試合のルールを実施するため、あらゆる方法で球審を助ける。

 

10-4項  審判員の交代

  試合中、審判員が負傷か病気で、その試合の進行を果たすことができなくなった

 ときの他は交代できない。

  (注)サスペンデッドゲームの審判員は原則として変更を認めない。

 

10-5項  審判員の判定

  打球のフェア・ファウル、走者のセーフ・アウト、投球のストライク・ボールなど

 の審判員の判定に対しては抗議することはできない。

  審判員の判定は、明らかにルール違反が認められない限り変更されることはない。

  監督からルールに基づく判定に関して抗議があった場合、その審判員は、疑問が

 あるときは他の審判員と協議すべきである。

  審判員は、他の審判員の判定の取り消しの要求はできないし、批判も妨害もでき

 ない。しかし、意見を求められたときだけ判定に対して助言できる。

  審判員の協議の結果、審判員の判定を取り消すのは、判定によって、攻撃チームの

 打者走者または走者がアウトにされる状況におかれたり、あるいは守備チームが

 不利な立場におかれた場合だけである。

  (注)投手が次の投球動作に入ったり、守備チームのすべてのプレイヤーがフェア

    地域を離れたら判定を訂正することはできない。

 

10-6項  プレイの中断

  1.審判員が状況を見て必要と認めたときはプレイを中断してもよい。

  2.球審が本塁を掃くためや、プレイの宣告と直接関係のないような他の義務を

   行うためにその位置を離れたときは、いつでもプレイは中断できる。

  3.審判員は、打者または投手が正当な理由があってその位置を離れたときは、

   プレイを中断してもよい。  

  4.審判員は、投手が投球動作に入ったのちは、タイムを宣告してはならない。

  5.審判員は、プレイの進行中はタイムを宣告してはならない。

  6.負傷した場合は、審判員が重大な負傷と判断した場合を除き、進行中のすべて

   のプレイが完了するか、あるいは走者がその占有する塁を確保するまでは、タイ

   ムは宣告してはならない。ただし、タイムを宣告した場合には、走者には審判員

   の判断により、その走者が達していたと思われる塁が与えられる。

  7.プレイの進行中は、全ての動作が完了するまでは、審判員はプレイヤーや監督

   などの要求でプレイを中断してはならない。

 

10-7項  違反とペナルティ

  1.プレイヤーや監督は、相手チームのプレイヤーや役員または観衆に対して、

   名誉を傷つけたり侮辱を与える言葉を吐いてはならない。

  2.プレイヤーによる違反のペナルティは、速やかに違反者を試合から退場させる

   ことである。

  3.監督・コーチまたはチームの役員による違反のペナルティは、

   (1)最初の違反には、違反者に警告が与えられる。

   (2)2回目の違反、もしくは1回目の違反が重大なものであると審判員が判断し

     たときは、違反者が退場になる。

  (注)監督が試合から退場させられた場合、その試合の残りを引き継ぐ監督の氏名

    を審判員に提出しなければならない。

  4.試合から除外されたプレイヤーは、ベンチにいてもよい。しかし、ベースコー

   チとして以外は試合に参加できない。

  5.試合から退場させられたプレイヤー、監督またはその他の役員は、試合が終了

   するまで球場から離れていなければならない。

  6.上記4、5に違反した場合は直ちに没収試合とする。