ルール8 走塁

8-1項  打者が打者走者になる場合

  1.打者がフェアボールを打ったとき。

  2.無死または一死で走者が一塁にいないとき、または二死のときは一塁に走者が

   いても、捕手が第3ストライクの投球を捕球できなかったとき。

   (第3ストライクルール)

  〈効果〉 1~2

    ボールインプレイ。(打者はアウトになる危険を承知で進塁できる)

  3.打者が四球を得たとき。

  〈効果〉 3

   (1)球がブロックされない限り、ボールインプレイ。

   (2)打者には一塁への安全進塁権が与えられる。

  4.打者が投球を打つのを捕手や他の野手が妨害したとき。

  〈効果〉 4

   (1)ディレードデッドボール。

   (2)攻撃側の監督に、打撃妨害による打者の一塁への安全進塁権をとるか、

     プレイの結果を生かすかの選択権が与えられる。

   (3)打撃妨害にもかかわらず、打者が安全に一塁に達し、かつ他のすべての

     走者が1個以上進塁したときには、打撃妨害はなかったものとしてプレイ

     続けられる。

   (4)打撃妨害を選択した場合、他の走者はフォースの場合を除いて進塁でき

     ない。

  (注1)「選択権の申し出」は、プレイが終わったら直ちにしなければならない。

     いったん申し出たのちは変更できない。

  (注2)打撃妨害のときの投球が「不正投球」であったときは、打者およびすべて

     の走者が少なくとも1個進塁しない限り、「不正投球」が適用される。

  (注3)走者が塁を通過したとき、たとえ空過であってもその塁に達したものと

     する。

  (注4)打撃妨害のときの投球を捕逸している間に、打者が一塁に達し、すべての

     走者が少なくとも1個進塁したときは、打撃妨害はなかったものとする。

  (注5)スクイズプレイを妨害したときは6-4項3を参照。

   5.打者が打者席内で、投球を打とうとせずに明らかに避けようとしていたにも

   かかわらず、投球を避けることができず身体や衣服に触れたとき

  〈効果〉 5

   (1)ボールデッド。

   (2)打者には一塁への安全進塁権が与えられる。

  (注1)打者の手はバットの一部分とはみなさない。

  (注2)打者が明らかに投球を避けようとしなかったとき、または打者席の線外に

     片足の一部が出ていたときは、審判員の判断により、“ボール”か“ストラ

     イク”が宣告される。

  (注3)ストライクゾーンで打者が投球に触れたときはストライクである。

  (注4)不正投球が「死球」になったときは、打者には一塁への、他の走者には

     1個の安全進塁権が与えられる。

  6.フェアボールがフェア地域上の審判員あるいは走者の身体または衣服に触れた

   とき。

  〈効果〉 6

   (1)投手を含む内野手に触れたのち、または投手を除く内野手を通過したのち

     はボールインプレイである。

      なお、ファウル地域上で審判員・走者に触れたときもボールインプレイで

     ある。

   (2)投手を含む内野手に触れる前、投手を除く内野手を通過する前ならばボー

     ルデッドである。塁を離れている走者に当たったときは、その走者はアウト

     になり、打者走者に一塁への安全進塁権が与えられ、他の走者は投球時に

     占めていた塁に戻らなければならない。(フォースの場合を除く)

  (注)「打球が内野手を通過する」とは、野手の頭上や股間または側方で、打球が

    容易に処理できそうな範囲を通過することである。

  7.触塁中に走者にフェアボールが触れたとき。

  〈効果〉 7

   (1)守備者が塁より前方で守備しているとき触れた場合は、ボールインプレイ。

   (2)守備者が塁より後方で守備しているとき触れた場合は、ボールデッドで、

     その走者はアウトではなく、打者走者には一塁への安全進塁権が与えられ、

     他の走者は投球時に占めていた塁に戻らなければならない。(フォースの

     場合を除く)

  8.フェアボールが投手を含む内野手に触れたのち、ファウル地域上の走者の身体

   または衣服に触れたとき。

  9.フェアボールがファウル地域上の審判員の身体または衣服に触れたとき。

  〈効果〉 8~9

    ボールインプレイ。

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8-2項  打者走者がアウトになる場合

  1.飛球を打ち、野手に捕球されたとき。

  (注1)飛球はフェンスに登って捕球してもよい。

  (注2)境界線付近の飛球を捕球する場合

    ① 野手の足が境界線内または線上にあればよい。

    ② ジャンプして捕球する場合は、身体の大部分が競技場内にあればよい。

    ③ いったん競技場外に出た野手が、再び競技場内に戻ってプレイすることは

     合法的である。(ただし、両足が完全に競技場内に戻っていること)

  2.フェアボールを打ったのち、打者走者が一塁に触れる前に身体または一塁に

   触球されたとき。

  3.捕手が第3ストライクを落球し、打者走者が一塁に触れる前に身体または一塁

   に触球されたとき。

  (注1)野手が球を確捕して、身体の一部が一塁に触れれば、一塁に触球したこと

     になる。

  (注2)野手が球を確捕して、身体の一部が一塁に触れるのと、打者走者の触塁が

     同時のときはセーフである。

  4.フェアボールを打ったり、四球や第3ストライクの落球により打者走者になっ

   たが、一塁に向かわないで味方のベンチに入ったとき。

  (注)死球の場合を除く。

  5.インフィールドフライが宣告されたとき。

  (注)インフィールドフライが宣告された打球が、塁を離れている走者に触れたと

    きは、その走者もアウトになり、ボールデッドである。

     ただし、塁に触れている走者に触れたときは走者はアウトにはならず、

    ボールデッドである。

  〈効果〉 1~5

   (1)ボールインプレイ。

   (2)打者走者アウト。(走者はアウトになる危険を承知で進塁できる)

  6.打者走者がフェアボールを打ち、一塁でのプレイが行われたときに、ダブル

   ベースの白色部分のみに触れて通過したとき。

  〈効果〉 6

   (1)ボールインプレイ。

   (2)一塁を空過したことになり、打者走者が通過したのち、塁に戻る前に守備

     側からアピールがなければ打者走者をアウトにする権利を失う。

  7.打者走者がスリーフットレーンの外側を走って一塁で送球を処理しようとして

   いる野手の守備を妨害したと審判員が判断したとき。

  〈効果〉 7

   (1)ボールデッド。

   (2)打者走者アウト。

   (3)他の走者は、直接プレイのときは投球時に占めていた塁に、介在プレイが

     あったときは妨害発生時に占めていた塁に戻らなければならない。

  (注)打者走者は打球を処理しようとしている野手を避けるためにスリーフット

    レンの外側を走ってもよい。

  8.打者走者が打球を処理しようとしている野手の守備を妨害したり、送球を故意

   に妨害したとき。

  (注1)明らかにダブルプレイを阻止するために妨害したと審判員が判断したとき

     は、妨害発生時に本塁に最も近い走者もアウトになる。

  (注2)打球を処理しようとしている捕手と打者走者が本塁前で衝突したときは、

     守備妨害で打者走者がアウトになる。

  9.打者走者が明らかに本塁上でアウトになるようなプレイを妨害したとき。

  (注)本塁に向かってきた三塁走者もアウトになる。

  10.フェアボールが打者走者の持っているバットや身体に触れたとき。

  (注1)打球が打者席内に両足を残している打者の身体や持っているバットに触れ

     たときはファウルボールである。

  (注2)フェアボールに当てたり、野手の守備の妨害となったときはアウトになる。

  11.打者走者がフェア地域内でフェアボールに再度バットを当てたとき。

  (注)落としたバットに転がってきた打球がフェア地域で触れたときは、ボール

    インプレイで成り行きである。なお、ファウル地域で触れたときはファウル

    ボールである。

  12.打者走者が野手の触球を避けようとして本塁の方向に後ずさりしたとき。

  13.一塁で通常プレイが行われているとき、打者走者がダブルベースの白色ベース

   で守備者と接触したとき。

  14.攻撃側のメンバーが、野手がファウル飛球を捕球しようとしているのを妨害し

   たとき。

  (注1)走者がいる場合は、打者走者をアウトにしないで、本塁にもっとも近い

     走者がアウトになる。

  (注2)走者が妨害した場合はその走者がアウトになる。

  (注1、注2とも打者はファウルボールとして打撃を継続する)

  15.無死または一死で走者が一塁にいるとき、野手が容易に捕球できるはずの

   フェアの飛球(バント飛球およびラインドライブを含む)を地面に落ちる前に、

   手またはグラブで打球に触れたのち、故意に地面に落としたとき。

  (注1)トラップトボールは故意落球とはみなさない。

  (注2)インフィールドフライが宣告されている場合は、故意落球は適用しない。

  (注3)外野への飛球には故意落球は適用しない。

  〈効果〉 8~15

   (1)ボールデッド。

   (2)打者走者アウト。

   (3)他の走者は投球時に占めていた塁に戻らなければならない。

  16.先行する走者が野手の送球を妨害したり、送球の捕球を妨害したと審判員が

   判断したとき。

  17.次打者が打球に対する守備を妨害したとき。

  〈効果〉 17

   (1)ボールデッド。

   (2)打者走者アウト。(走者は進塁できない)

  18.チームメンバー以外の者が競技場内に入り、守備者が捕球できると審判員が

   判断した飛球を妨害したとき。

  〈効果〉 18

   (1)ボールデッド。

   (2)打者走者アウト。

   (3)走者には審判員の判断により妨害がなかったならば達していたと思われる

     塁が与えられる。

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8-3項  進塁と逆走塁

  1.進塁するときは、一塁・二塁・三塁・本塁の順に各塁に触れてなければなら

   ない。

  【例外】 走者が触塁を妨害したときは、たとえその塁に触れていなくても、触塁

      したものとみなし、そのまま進塁することができる。また、前位の走者が

      本塁で触塁を妨害され、後位の走者が本塁に触れてしまった場合でも、

      前位の走者は本塁に触塁したものとみなし、その得点は認められる。

  2.ボールインプレー中に逆走塁するときは、本塁・三塁・二塁・一塁の順に各塁

   に触れて戻らなければならない。

   (1)次の場合、各走者は逆走塁することができる。

     1)飛球(ラインドライブを含む)が捕球される前に次の塁へ進んだ走者が、

      捕球されたのを見て元の塁に戻ろうとするとき。

     2)進塁の途中で塁を空過した走者が、その塁を踏み直すために戻ろうと

      するとき。

     3)前位の走者を追い抜きそうにになって戻ろうとするとき。

   (2)安全進塁権が与えられたときでも走者は各塁に正しい順序で触れて進塁・

     逆走塁しなければならない。

   (3)塁を空過したした走者やタッチアップの早過ぎた走者が次の塁に達して

     ボールデッドになっても、空過した塁や タッチアップの早過ぎた塁に戻っ

     て触れ直す事ができる。

   (注)ボールインプレー中、ボールデッド中を問わず、ベンチに入ったり、境界

     線外に出た走者は、空過した塁やタッチアップの早過ぎた塁に戻って触れ直

     すことはできない。

  3.走者または打者走者が、アウトになる前に塁に触れたことによって得た塁の

   占有権は、走者や打者走者が正しく次の塁に触れるまでか、あるいは後位の走者

   のために塁を空けざるを得なくなるまで続く。

  (注1)「塁の占有権」とは、その塁に触れている限り、野手に触球されてもアウ

     トにならないという権利である。

  (注2)「後位の走者に塁を空ける」とは打者が打者走者になったために、後位の

     走者に押し出されて自動的に次の塁へ進まなければならなくなった状態を

     いう。(フォースの状態)

  4.走者がベースを各塁の正規の位置(ベースが固定してあった地点)から移動さ

   せたときは、その走者も一連のプレイをしている次の走者も、移動したそのベー

   スに触れていなくてもアウトにはならない。

  〈効果〉 4

    ボールインプレイ。(走者はアウトになる危険を承知で進塁してもよい)

  (注1)その走者は触球されたとき、ベースに触れていなくてもアウトにはならな

     い。走者がそののち、進塁しようとするとアウトにならない権利を失い、

     触球されるとアウトになる。

  (注2)後位の走者が進塁してきたときは、各塁の正規の位置(ベースが固定して

     あった地点)に触れなければならない。

  (注3)「塁」は所定の場所を表し、「ベース」はその塁上に固定されるもので

     ある。

  5.2人の走者が同時に同一の塁を占めてはならない。

  〈効果〉 5

    最初に正しくその塁を占めた前位の走者に占有権がある。後位の走者は触球さ

   れるとアウトになる。ただし、フォースの場合は後位の走者に占有権がある。

  6.塁を空過したり、飛球の捕球よりもタッチアップが早過ぎたりして、アウトに

   なった前位の走者は、正しい順序で塁に触れている後位の走者の資格に影響を

   与えない。

  (注)ただし、このようなアウトが第3アウトの場合は後位の走者による得点は

    認められない。

  7.ボールインプレイ中、ボールデッド中を問わず、後位の走者が得点したのちは、

   前位の走者は空過した塁やタッチアップの早過ぎた塁に戻って触れ直すことは

   できない。

  8.ボールデッドのとき、本塁を空過した走者は、試合再開が宣告されると、本塁

   に戻って触れ直すことはできない。

  〈効果〉 6~8

    次の投球動作に入る前にアピールされたときは、その走者がアウトになる。

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8-4項  走者に安全進塁権が与えられる場合

  1.打者が「四球」で一塁を与えられたために、塁を空けなければならなくなった

   とき。

  〈効果〉 1

    ブロックされなかったときは、ボールインプレイ。(走者は危険を承知で進塁

   してもよい)

  2.野手が走者の走塁を妨害したとき。

    次の場合は走塁妨害を適用する。

   (1)野手が球を持っていないとき。

   (2)野手が打球の処理をしようとしていないとき。

   (3)野手が空タッチをしたとき。

   (4)野手が球を持って、走者を塁(ベース)から押し出そうとしたとき。 

  〈効果〉 2

    走塁妨害が発生したとき(ランダウンプレイを含む)は、

   (1)ディレードデッドボール。

   (2)走塁を妨害された走者および他の走者は、審判員の判断により妨害がなけ

     れば達していたと思われる塁までの安全進塁権が与えられる。

  (注1)走塁妨害は野手が走者に触れなくても走者の走塁に影響を与えたかどうか

     を審判員が判断する。

  (注2)走者が塁に達しようとしているとき、野手は塁の前縁の一部を空けなけれ

     ばならない。

      野手がこれに違反したため、走者が塁に触れることができなかったときは、

     走塁妨害が適用される。(走塁妨害は走者が帰塁するときにも適用される)

  (注3)走塁を妨害された走者は、その塁間ではアウトになることはない。

     この走者は次の塁に進むか、触塁した塁に戻らなければならない。

      ただし、走塁妨害ののちに、引き続き守備妨害が発生したときは、

     守備妨害を優先する。

  (注4)走者を妨害された走者は、審判員の判断により、妨害がなければ達して

     いたと思われる塁より先に進んで触球されたときは、アウトになる。

  (注5)「空タッチ」も走塁妨害であり、審判員の判断により退場になる場合も

     ある。

  3.暴投あるいは捕逸した球がバックネットの下に入ったり、挟まったり、競技場

   外に出たとき。

  〈効果〉 3

   (1)ボールデッド。

   (2)走者には1個の安全進塁権が与えられる。

   (3)打者が四球を得た場合には一塁までの安全進塁権が与えられる。

  (注)暴投や捕逸した球が、捕手または他の野手に触れてから競技場外に出たり、

    ブロックトボールになったときも、1個の安全進塁権が与えられる。

  4.打者に死球または打撃妨害で一塁が与えられたために、塁を空けなければなら

   なかったとき。 (フォースの状態)

  5.不正投球が宣告されたとき。

  6.野手が帽子、マスク、手から離したグラブ・ミット、またはユニフォームの

   一部を本来つけている箇所から離し、投球や送球、またはフェアボールに投げ

   当てたり、捕ったりしたとき。

  〈効果〉 6

    ディレードデッドボール。

   (1)投球のとき

      走者(打者走者を含む)には、投球時に占めていた塁から1個の安全進塁

     権が与えられる。

   (2)送球のとき

      走者(打者走者を含む)には、その送球が野手の手を離れたときに占めて

     いた塁を基準にして2個の安全進塁権が与えられる。

   (3)フェアボールのとき

      走者(打者走者を含む)には、打たれたとき(投球時)に占めていた塁を

     基準にして3個の安全進塁権が与えられる。

  (注1)与えられた塁に達したのちも、走者はアウトになる危険を承知で進塁で

     きる。

  (注2)フェアの飛球が、不正な捕球・触球がなければフェンスを越えたと審判員

     が判断したときは本塁までの安全進塁権が与えられる。

  7.三塁走者がスクイズプレイまたはホームスチールを試みたとき、捕手または

   他の野手が本塁を踏んだり、その前に立ったり、打者やバットに触れ、打撃を

   妨害したとき。

  〈効果〉 7

   (1)ボールデッド。

   (2)打者には打撃妨害で一塁までの安全進塁権が与えられる。

   (3)各走者には不正投球で1個の安全進塁権が与えられる。

  8.インプレイの送球がブロックトボールまたはオーバースローになったとき。

  〈効果〉 8

   (1)ボールデッド

   (2)野手の手から球が離れた時の走者の位置から、2個の安全進塁権が与えら

     れる。

  (注1)飛球(ラインドライブを含む)が捕球されたときは、投球時に占めていた

     塁から2個の安全進塁権が与えられる。

  (注2)同一塁間に2人の走者がいたときは、前位の走者の位置が基準になる。

  (注3)野手が触球しようとした球が手から離れて、境界線外に出たときは、

     すべての走者に球が境界線外に出たときに達していた塁から、さらに1個の

     安全進塁権が与えられる。

  9.フェアの飛球がフェンスを越えるか、ファウルボールに触れたとき

  〈効果〉 9

   (1)ボールデッド

   (2)すべての走者(打者走者を含む)に本塁までの安全進塁権が与えられる。

  (注1)本塁からフェンスまでの距離が規定の距離より短いときは2個の安全進塁

     権が与えられる。

  (注2)フェアの飛球が野手に触れたのち、地面に落ちる前にフェア地域の競技

     外に出たときは本塁までの安全進塁権が与えられ、ファウル地域の競技場外

     に出たときは2個の安全進塁権が与えられる。

  10.フェアボールが地面に触れて、バウンドしたり、転がったりして、競技場外に

   出たとき。

  〈効果〉 10

   (1)ボールデッド

   (2)各走者に投球時に占めていた塁から2個の安全進塁権が与えられる。

  11.野手がボールインプレイの球を持ったまま、無意識に競技場外に出たとき。

  〈効果〉 11

   (1)ボールデッド

   (2)各走者に野手が競技場外に出たときに達していた塁から、さらに1個の

     安全進塁権が与えられる。

  (注)野手が走者に触球しようとして、ベンチに球を持ち込んだときも、無意識に

    場外に出たものとみなされる。

  12.野手がボールインプレイの球を故意に競技場外に出したと審判員が判断した

   とき。

  〈効果〉 12

   (1)ボールデッド

   (2)各走者にそのとき達していた塁から、さらに2個の安全進塁権が与えら

     れる。

  13.ボールインプレイの球が、競技場内に入りこんだチームメンバー以外の者に

   妨害されたと審判員が判断したとき。

  〈効果〉 13

   (1)ボールデッド

   (2)審判員の判断により、妨害がなかったら試合がどのように進行していたか

     が考慮され、適宣な処置がとられる。

  (注)野手が捕球するために手を競技場外に出したときは、観衆が邪魔をしても

    守備妨害にはならない。

  14.審判員の用具・審判服または攻撃側のプレイヤーのユニフォームの中に球が

   入ったり、挟まったりしてプレイの続行が不可能となったとき。

  〈効果〉 14

   (1)ボールデッド

   (2)走者には審判員の判断により、それがなければ達していたと思われる塁

     までの安全進塁権が与えられる。

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8-5項  走者がボールデッド中に帰塁しなければならない場合

  1.投球時に占めていた塁に帰塁するとき。

   (1)ファールボールのとき。

   (2)不正打球のとき。

   (3)打者に投球が触れたとき。

   (4)打者に空振りした球が触れたとき。

   (5)次打者が飛球に対する守備を妨害したとき。

   (6)打者走者がスリーフットレーン外を走って守備を妨害したとき。

   (7)打者走者が捕手のプレイを妨害したとき。

   (8)打者走者が野手の打球処理や送球を妨害したとき。

   (9)打者走者が故意落球でアウトを宣言されたとき。

   (10)打者走者が後ずさりしてアウトを宣告されたとき。

   (11)打者走者の身体や持っているバットにフェア地域で打球が触れたとき。

   (12)走者が離塁違反でアウトを宣告されたとき。

   (13)走者が打球に触れて守備を妨害したとき。

   (14)攻撃側のメンバーが野手のファウル飛球の捕球を妨害したとき。

   (15)他のプレイをしていない攻撃側のメンバーが妨害したとき。

   (16)打者走者が一塁に達する前に打者席外でフェアの打球を妨害したとき。

   (17)一塁で通常のプレイが行われているとき、打者走者がダブルベースの白色

     ベースで守備者と接触したとき。

  〈効果〉 1(1)~(17)

   (1)ボールデッド

   (2)各走者は、フォースの場合を除いて投球時に占めていた塁に戻らなければ

     ならない。

  2.妨害発生時に占めていた塁に帰塁するとき。

   (1)球審が捕手の盗塁を阻止するための送球やピックオフプレイを妨害した

     とき。

   (注1)ディレートデッドボール。

       球審の妨害にもかかわらず、捕手の送球で走者がアウトになったときは

      ボールインプレイ。セーフのときはボールデッドになる。

   (注2)投球が暴投か捕逸になったのち、それを処理した捕手からの送球が球審

      に当たったときは妨害とはみなさない。

   (2)打者が捕手の送球を故意に妨害したとき。

   (3)打者が走者の得点しようとしているとき、本塁におけるプレイを妨害した

     とき。

   (4)打者または走者が故意に送球を妨害したとき。

   (5)走者が打球を処理しようとしている野手の守備を妨害したとき。

   (6)走者が野手の処理し損なった打球を、故意に蹴ったとき。

   (7)走者が故意に逆走塁をして守備側を混乱させたり、からかったりしたとき。

   (8)アウトを宣告された打者・打者走者・走者または得点した直後の走者が

     野手のプレイを妨害したとき。

   (9)次打者またはベースコーチが自己の占めている場所を譲らず、野手の送球

     処理を妨害したとき。

   (10)ベースコーチがコーチズボックスを離れて、守備を妨害したとき。

   (11)攻撃側のプレイヤーが塁に接近して立ったり、塁の付近に集合したりして、

     守備を妨害したとき。

   (12)攻撃側の放置した用具に送球が触れたとき。

   (注)プレイの対象がはっきりしない場合のみ適用する。

   (13)打者走者が一塁に到達しないうちに介在プレイがあり、打者走者が一塁へ

     の送球を処理しようとする野手の守備を妨害したとき。

   (14)野手が球を持って走者をアウトにするために待ち受けているとき、走者が

     落球を狙って故意に衝突したとき。

   (15)打者・打者走者・走者の頭から離れたヘルメットに打球や送球が当たった

     り、守備者に触れたりして、守備の妨害となったとき。

  〈効果〉 2(1)~(15)

   (1)ボールデッド。

   (2)各走者はボールデッドになったときに占めていた塁に戻らなければなら

     ない。

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8-6項  走者がアウトになる場合

  1.走者が野手の触球を避けようとして、走路の両側0.91m以上(3フィート

   以上)離れて走ったとき。

  (注1)走路上で野手が守備動作をしているとき、その野手の前方または後方に

     0.91m以上離れて走ってもよい。

  (注2)走者がふくらんで走り、進塁・帰塁中に野手の触球を避けるために、

     その走者の位置と塁とを結ぶ線の両側に0.91m以上離れると直ちに

     アウトになる。

  2.ボールインプレイ中、走者が塁に触れていないときに野手に正しく触球された

   とき。

  3.フォースの状態で、走者が進塁しなければならなくなった塁に触れる前に、

   野手が球を確保して触塁するか走者に触球したとき。

  (注)フォースで進塁義務の生じた走者が次の塁に触れたのち、どのような理由に

    せよ元の方向に塁を離れたときは、再びフォースの状態になる。

  4.試合中断後、プレイが再開されたときに、走者が塁に戻らなかったとき。

  (注)ボールデッド中、走者に帰塁の義務が生じたとき、審判員がそのための適宣

    な時間を与えたのち、試合再開を宣告したにもかかわらず、その走者があえて

    帰塁しなかったときに適用する。

  5.ボールインプレイ中、ボールデッド中にかかわらず、他の走者以外の者が走者

   の身体に触れ、走塁を援助したとき。

  6.走者がタッチアップするとき、塁の後方からランニングスタートしたとき。

  7.後位の走者がアウトになっていない前位の走者を追い越したとき。

  (注)走者が安全進塁権を与えられ、進塁しているときも、追い越しアウトは適用

    される。

  8.走者が塁を離れ、進塁する意思を明らかに放棄してベンチに入ったり、競技場

   外へ出たとき。

  〈効果〉 1~8

   (1)ボールインプレイ。

   (2)その走者はアウトになる。

  9.走者が離塁中、投手を含む内野手に触れる前か、または投手を除く他の内野手

   を通過する前のフェアボールにフェア地域で触れたとき。

  〈効果〉 9

   (1)ボールデッド。

   (2)走者アウト。

   (3)打者走者には一塁までの安全進塁権が与えられ、他の走者はフォースの

     場合を除き、投球時に占めていた塁に戻らなければならない。

  (注1)打球が内野手を通過した直後に離塁中の走者に触れたときは、通過後、

     他の野手がその打球を守備していずれかの走者をアウトにする機会があった

     と審判員が判断したときは、その球に触れた走者がアウトになる。

  (注2)「打球が内野手を通過する」とは、内野手の頭上や股間または側方で、

     容易に処理できそうな範囲を通過することをいう。

  (注3)触塁中に走者に、フェアボールが触れたときは走者はアウトにならない。

    ①守備者が塁より前方で守備していたときはボールインプレイ。

    ②守備者が塁より後方で守備していたときはボールデッド。打者に一塁までの

    安全進塁権が与えられる。

  (注4)一度塁に触れたのち、反転したフェアボールが、

    ①離塁中の走者にフェア地域で触れたときは、走者はアウトになり、ボール

    デッドである。

     ただし、内野手を通過した直後の場合は、この打球に対して他のいずれの

    内野手も守備する機会がなかったときに限り、走者はアウトにならない。

    ②ファウル地域で走者に触れた場合は、その走者はアウトにならず、ボール

    インプレイである。

  10.走者が内野手の処理し損なった打球を故意に蹴ったとき。

  11.走者が打球を処理しようとしている野手を妨害したり、あるいは送球を故意に

   妨害したとき。

  〈効果〉 10~11 

   (1)ボールデッド。

   (2)走者アウト。

   (3)打者走者には一塁までの安全進塁権が与えられ、他の走者はフォースの

     場合を除き、妨害発生時に占められていた塁に戻らなければならない。

  (注1)この妨害が明らかにダブルプレイを阻止しようとするものであると審判員

     が判断したときは、これに直接関連する走者、または打者走者もアウトに

     なる。

  (注2)走路上を走っていた走者が、打球を処理しようとしている野手または打球

     に触れて守備の妨害になったときは、たとえ偶然であっても走者アウトで

     ある。

  (注3)ファウル飛球を捕球しようとしている野手を、走者が妨害したときは、

     その走者はアウトで打者はファウルボールとして打撃を継続する。

  (注4)「野手の打球処理」とは、野手が打球に対する守備をはじめて、捕球し、

     送球するまでのプレイをいう。

  12.アウトになった打者・打者走者・走者または得点をした直後の走者が、他に

   走者がいるときに守備側のプレイを妨害したとき。

  〈効果〉 12

   (1)ボールデッド。

   (2)本塁に最も近い走者がアウトになる。

  (注)アウトになった走者が、走り続けて送球を誘うのも妨害行為の一種である。

  13.投球が投手の手から離れる前に走者が塁から離れたとき。

  〈効果〉 13

   (1)ボールデッド

   (2)走者アウト。(無効投球になる)

  (注1)2人以上の走者が同時に離塁違反をしたときは、“アウト”の宣告の早い

     方がアウトになる。

      ほぼ同時の場合は、本塁に近い方の走者がアウトになり、他の走者は投球

     時に占めていた塁に戻らなければならない。

  (注2)「不正投球」の宣告と「離塁違反」の宣告がほぼ同時であったときは

     「不正投球」を適用する。

  14.球を持った投手の両足がピッチャーズサークル内に入っているのに、走者が

   塁に触れていなかったとき。

  〈効果〉 14

   (1)ボールデッド。

   (2)走者アウト。

  (注1)投手が球を持って、ピッチャーズサークル内に入ったときは、塁を離れて

     いた走者は、直ちに元の塁に戻るか、次の塁に進まなければならない。

  (注2)進塁中の走者はそのまま走塁を続けてよい。

  (注3)四球で一塁に向かうとき、打者走者は一塁の直前、または一塁上に停止し

     たのちに、突然走り出してはならない。

  (注4)次の場合、走者は離塁してもよい。

    ①投手が球を手から離したり落としたりしたとき。

    ②投手がピッチャーズサークル内から踏み出したり、外に出たとき。

    ③投手が走者に対して、野手としてのプレイ(偽投を含む)をしたとき。

    ④投手がアピールプレイをしようとして、球をピッチャーズサークルの外へ

    出したとき。

  15.走者が逆に走塁して守備側を混乱させたり、侮ったり、からかったりしたとき。

  16.野手が球を持って走者をアウトにするために待ち受けているとき、走者が落球

   を狙って衝突したとき。

  〈効果〉 15~16

   (1)ボールデッド。

   (2)走者アウト。

   (3)他の走者は、違反行為発生時に占めていた塁に戻らなければならない。

     目に余る違反行為のときは退場になる。

  17.野手が打球あるいは送球を処理しようとしているとき、三塁付近のベースコー

   チが塁線上かあるいはその近くを本塁の方向へ走り出し、本塁への送球を誘った

   とき。

  18.ベースコーチおよび攻撃側のメンバーが送球を故意に妨害したとき。または

   守備側のプレイを妨害したとき。

  〈効果〉 17~18

   (1)ボールデッド。

   (2)本塁にもっとも近い走者がアウトになる。

  19.攻撃側のメンバーが、ベンチから出て走者の進塁しようとしている塁の近くに

   立ったり、あるいはその周辺に集まったりして野手を混乱させ、プレイを困難に

   したとき。

  〈効果〉 19

   (1)ボールデッド。

   (2)プレイの対象者がアウトになる。

  20.打者走者が明らかに本塁上でアウトになるようなプレイを妨害したとき。

  〈効果〉 20

   (1)ボールデッド。

   (2)本塁に向かってきた走者はアウト。

   (3)妨害した打者走者もアウト。

  21.走者が進塁または帰塁するとき、塁を空過したとき。

  22.走者が捕球された飛球(ラインドライブを含む)が野手に触れる前に進塁の

   ため塁を離れたとき。(タッチアップが早過ぎたとき)

  23.打者走者が一塁を走り越したのち、続いて二塁に進塁しようとしたとき。

  24.走者が本塁に走り込んだり、滑り込んだりしたが、本塁に触れないで、触れ

   直そうとしなかったとき。

  (注)触れ直す意思がなく、ベンチに向かっているときのみ適用される。

  〈効果〉 21~24

    これらはすべてアピールプレイである。正しいアピールがなさらなければ、

   アウトにはならない。

   (1)アピールはボールインプレイ中でもボールデッド中でもできる。

      しかし、次のような場合は、守備側はアピールの権利を失う。

     1)次の投球動作に入ったとき。

     2)攻守交代で全ての守備者がフェア地域を離れたとき。

     3)球審により試合の終了が宣告されたとき。

     4)投手がアピールをしようとして投手板に足を触れたまま塁に送球した

      とき。

   (2)ボールインプレイ中のアピールの仕方。

     1)塁を空過したとき。

       空過した塁上で球を持つか、その塁に触球するか、その塁を離れている

      走者に触球する。

     2)タッチアップが早過ぎたとき。

       タッチアップの早過ぎた塁上で球を持つか、その塁に触球するか、

      その塁を離れている走者に触球する。

     3)一塁を通過したのち、二塁に向かおうとしたとき。

     4)本塁に触れないで、触れ直そうとしなかったとき。

       球を持って本塁に触れ、審判員にアピールする。

   (3)ボールデッド中のアピールの仕方

     1)ボールデッドになり、球が内野に戻ったときに野手が球を持っていても

      いなくても、競技場内(ベンチを含まない)にいる守備チームのメンバー

      (監督・コーチを含む)は、言葉だけで走者の塁の空過とタッチアップが

      早過ぎたことをアピールできる。

     2)当該審判員はアピールを認めてプレイの判定をする。プレイが宣告され

      るまでは、ボールデッドであり、走者はこの間離塁することはできない。

    (注1)球が場外に出たときは球審が新しい球を投手に渡すまで、ボールデッ

       ド中のアピールはできない。

    (注2)球審によって“プレイ”が宣告されたときに投手がアピールを申し出

       た場合は、審判員は再び“タイム”を宣告してアピールの手順を認めれ

       ばよい。

    (注3)投手が球を持って投手板に触れているとき、野手が声だけのアピール

       をしても、不正投球は 宣告されない。

   (4)アピールは、第3アウト後にも行うことができる。