ルール4 プレイヤーと交代
4-1項 監督・コーチ
1.監督(ヘッドコーチ)は、打順表(ラインアップカード)にサインしなければ
ならない。
2.監督・コーチは、チームと同色・同意匠のユニフォームを着用しなければなら
ない。
帽子を着用する場合には、チームと同一のものでなければならない。
3.コーチズボックスに入ることのできる攻撃側のコーチ(ベースコーチ)は、
チームの一員である。
(1)1人のコーチは一塁側の、もう1人のコーチは三塁側のコーチズボックス
内にいなければならない。
(2)コーチは、自チームの攻撃中に助言や指示を与えることができる。
(注)走者に、スライディングしたり、塁を走り越すか、戻るか、または守備者
を避けるべきかを指示するときは、プレイを妨害しないかぎり、コーチズボ
ックスを離れてもよい。
(3)ベースコーチは、自チームのメンバーとのみ話すことができる。
(4)ベースコーチの1人は、コーチズボックス内にスコアブックと筆記用具を
持ち込んでもよい。
4.チームの関係者は、試合中、情報・通信機器を競技場内および観客席で使用し
てはならない。
(効果〉 4
発見された場合は、チームに対して警告が与えられ、再度違反した場合には監督が退場になる。ただし、高校生以下の試合は除く。
4-2項 打順表(ラインアップカード)
1.打順表(ラインアップカード)は試合開始前に審判員・公式記録員に提出する。
一度提出された打順表の打順は変更できない。
2.打順表には、チーム名、守備位置、氏名、ユニフォームナンバーを記入する。
(注)試合開始後、ユニフォームナンバーの記入誤りが発見されたときは、訂正し
て試合を続行すればよい。
3.監督がプレイヤーを兼ねる場合は、監督の名前を打順表の選手欄に記入しなけ
ればならない。
4.控え選手の氏名、ユニフォームナンバーは指定された欄に記入する。なお、
打順表に記載のない控え選手は、当該試合に出場することはできない。
4-3項 プレイヤー
1.チームは9人で編成する。
指名選手(DP/DESIGNATED PLAYER)を採用した場合は10人である。
2.守備チームのプレイヤーは、投手と捕手を除いて、フェア地域のどの位置に
守備してもよい。
捕手は捕手席に、投手は各投球の開始時に正しい投球位置またはピッチャーズ
サークル内にいなければならない。
3.チームが試合を開始し、継続するためには、編成に必要な人数を有していなけ
ればならない。
(注)編成人数が欠員になったときは没収試合になる。
4-4項 スターティングプレイヤー
1.スターティングプレイヤーは、試合開始30分前に、チームから打順表が提出さ
れ、審判員・公式記録員によって確認されたとき、公式のものになる。
2.提出されたのち、突発的なケガや急病の場合は、試合開始前の審判員と監督の
打ち合わせで、そのプレイヤーを他のプレイヤーと交代することができ、交代し
たプレイヤーがスターティングイプレヤーになる。
3.上記2で交代して退いたプレイヤーは、試合中いつでも交代者として出場でき
る。
(注)打者走者または走者が、死球などの突発的なケガで与えられた塁までの走塁
が不可能になったときは、代走者と交代し、進塁することができる。(この交
代は通常の交代であり、代替プレイヤーを使用することはできない)
4-5項 指名打者(DP/DESIGNATED PLAYER)
1.指名打者(DP)は打撃専門のプレイヤーで、どの守備者につけてもかまわない
が、試合開始前に打順表にその記号(DP)と氏名・ユニフォームナンバーを記入
しなければならない。
2.DPの守備者〈FP/FLX PLAYER)は守備専門のプレイヤーで、打順表の10番目
に記入しなければならない
3.DPの打順は、その試合中変更することはできない。
4.DP、FPがスターティングプレイヤーであれば、いったん試合から退いても、
いつでも一度に限り「再出場」できる。
ただし、自己の元の打順を受け継いだプレイヤーと交代しなければならない。
5.DPはいつでもFPの守備を兼ねることができる。また、FPはいつでもDP
の打撃を兼ねることができる。
6.DPはいつでもFP以外のプレイヤーの守備も兼ねることができる。そのとき、
DPが守備を兼ねたプレイヤーは打撃のみを継続し、この選手を打撃専門選手
(OPO/OFFENSIVE PLAYER ONLY)と呼ぶ。
7.DP、FPはいつでも控え選手と交代できる。
(注1)DPがFPの守備を兼ねるときは、FPはいったん試合から退いたことに
なる。FPが再出場・交代しないとき、試合に出場している人数は10人から
9人になる。
(注2)FPが再出場するとき、10番目の守備専門のプレイヤーに戻るか、DPを
兼ねて打撃と守備の両方を行うことができる。
(注3)DPとFPが入れ替わって、二人同時に試合に出場することはできない。
DPは守備のみ、FPは攻撃のみのプレイをすることはできない。
(注4)DPが再出場するとき、自己の元の打順に戻って再出場しないと再出場違
反になる。
(注5)DPおよびFPのいずれの交代についても必ず通告しなければならない。
(注6)DPがFPあるいはそれ以外のプレイヤーの守備を兼ねている状態で交代
したとき、またはFPがDPの打撃を兼ねている状態で交代したときは、
解除の通告がない限りは、そのままの状態を引き継いで交代したものとみなされる。
〈効果〉 5項
(1)DP違反の場合には、4-7項〈効果〉7項を適用する。
(2)FPがDP以外の打順で出場した場合には、4-6項3〈効果〉3を適用
する。
(3)再出場違反の場合には、4-6項3〈効果〉3を適用する。
(4)無通告で再出場違反の場合には、両方の効果を適用する。
(注)これらの違反は、相手チームから審判員にアピールがあったときに
ペナルティ適用する。
4-6項 再出場(リエントリー)
1.スターティングプレイヤーは、いったん試合から退いても、いつでも一度に
限り「再出場」できる。
ただし、自己の元の打順を受け継いだプレイヤーと、交代しなければならない。
2.スターティングプレイヤー以外のプレイヤーが再出場したときは再出場違反に
なる。
3.再出場違反は、相手チームから審判員にアピールがあったときにペナルティを
適用する。
〈効果〉 3
(1)監督と違反者が退場となる。ただし、高校生以下の試合の場合は違反者
のみ退場になる。
(2)違反者は正しい交代者と交代する。
(3)プレイはすべて有効である。
(4)違反者がさらに出場したときは、没収試合になる。
4-7項 プレイヤーの交代
プレイヤーは、チームの打順表に名前が記入された控え選手(交代者)と交代する
ことができる。
1.いつでも、投手を含むどのプレイヤーでも交代することができる。
2.プレイヤーを交代させようとするチームの監督は、球審に通告しなければなら
ない。
3.監督が、球審に通告したときに交代が成立する、
4.球審は、次の投球がなされる前に、記録員にその交代を通告する。
5.無通告で交代した場合、次の投球動作に入ったときに不正交代となり、相手
チームから審判員にアピールがあったときにペナルティを適用する。
6.いかに競技が進行していても、相手チームがアピールする前に違反していた
チームの監督が審判員に申し出たときはペナルティはなく、その交代は正しい
ものとなる。
〈効果〉 7項
(1)違反者は試合から除外され、失格選手になる。
(2)違反者は正しい交代者と交代する。
(3)違反者(失格選手)が、さらに出場したときは没収試合になる。
1)守備中にプレイに関与して発見された場合
①次の投球動作に入る前は、攻撃側の監督にプレイの結果を生かすか、
打ち直し(打撃完了前のボールカウントで)をするかの選択権が与えら
れる。
②次の投球動作に入ったのちは、プレイはすべて有効である。
2)攻撃中に発見された場合
①打撃完了前に発見された場合は、正しい交代者がそのボールカウント
を引き継ぎ、それまでのプレイは有効である。
②打撃完了後、次の投球動作に入る前は、打撃によるすべてのプレイは
無効で、違反者はアウトになる。
③打撃完了後、次の投球動作に入ったのちは、それまでのすべてのプレ
イは有効である。
(注)不正交代とは次のような場合をいう。
① 無通告交代。
② 再出場違反。
③ DP違反。
④ 失格選手の出場。
⑤ 代替プレイヤー違反。
4-8項 プレイヤーのマナー
1.チームのメンバーは、審判員の判定に対し、不服の言動や不満の態度を示して
はならない。
2.チームのメンバーは、競技施設内(ベンチを含む)で喫煙をしてはならない。
(競技施設内では指定された場所以外で喫煙してはならない)
4-9項 ベンチの規制
ベンチに入ることを許された者は、試合中、競技に携わるとき以外はベンチを出て
はならない。出ることが許されるのは、審判員が認めた場合とルールに基づいている
場合だけである。
(注)試合中、イニングのスタートのときに投手がウォームアップをするために
ベンチを出ることは認められる。
〈効果〉 8~9項
チームに対して警告が与えられ、再度繰り返すと、その違反者が退場になる。
4-10項 代替プレイヤー(スプレイスメントプレイヤー)
1.試合中、プレイヤーが出血した場合、ただちに止血などの処置を行わなければ
ならない。出血したプレイヤーは その処置が完了するまで試合に戻ることはで
きず、その処置が完了するまで臨時の代替プレイヤーを使用することができる。
2.負傷発生時、ラインアップに入っているプレイヤー以外であれば、どのプレイ
ヤーでも代替プレイヤーになることができる。(すでに試合から退いたプレイヤ
ーでもよい)
ただし、違反により退場・除外となったプレイヤーは代替プレイヤーになるこ
とはできない。
3.代替プレイヤーは、出血の処置のため一時的に退いたプレイヤーに代わり、
そのイニングから次のイニングの終了までプレイを継続することができる。
4.それ以上の新しいイニングに入るときは、その代替プレイヤーが正しい交代者
でない場合には、正しい交代者と交代しなければならない。正しい交代者がいな
い場合には没収試合になる。
5.代替プレイヤーとしての試合への出場は、正式な交代とは異なり、試合出場や
再出場の権利を妨げない。
6.血液の付着したユニフォームを着用してはならない。また、地面、用具などに
付着した血液も完全に払拭しなければならない。
7.血液の付着してユニフォームを交換する場合、ユニフォームナンバーが変更さ
れても止むを得ない。
8.出血の処置が完了したプレイヤーは、いつでも試合に戻ることができる。
ただし、4-10項3に定められた期間を経過して試合に戻る場合には、再出場
のルールが適用され、再出場の資格を持たないプレイヤーは試合に戻ることはで
きない。
9.代替プレイヤーを使用するときは、必ず球審に通告しなければならない。
〈効果〉 9項
(1)代替プレイヤーとして出場する資格のないプレイヤーを出場させた場合は、
再出場違反として扱われ、4-6項3<効果>3が適用される。その他にさら
に該当する違反行為が重複して行われた場合は、その違反に該当する項目の
ペナルティを適用する。
(2)代替プレイヤーを無通告で出場させ、相手チームからアピールがあった場
合は、無通告交代として扱われ、4-7項〈効果〉7項が適用される。
(3)出血のため試合から退いていたプレイヤーを無通告で試合に戻し、相手
チームからアピールがあった場合は、無通告交代として扱われ、4-7項
〈効果〉7項が適用される。
(注)代替プレイヤールールの対象となるのは、代替プレイヤーとして試合に出場
するプレイヤーと出血のため試合から退いていたプレイヤーが試合に戻るとき
である。