ルール7 打撃

7-1項  次打者

  1.次打者は打順表(ラインアップカード)で打者の次に名前が記入されている

   プレイヤーである。

  2.次打者は自チームベンチ側の次打者席内で待機しなければならない。

  3.次打者は次打者席に検定バットを2本まで持ち込むことができる。

    その内の1本は検定ウォームアップバットでもよい。

  (注)検定ウォームアップバットにドーナツなどを取りつけてはならない。

    不正ウォームアップバットは試合から除外する。再度持ち込んだときは、

    その違反者は退場になる。

  4.次打者は次の場合は次打者席を離れてもよい。

   (1)打者になるとき。

   (2)三塁から本塁に進塁してくる走者に指示を与えるとき。

   (3)打球・送球を避けるとき。

  5.次打者は、守備側のプレイを妨げてはならない。

  〈効果〉 5

    ボールデッド。

   (1)次打者が走者をアウトにしようとしている野手を妨害したときは、本塁に

     最も近い走者がアウトになり、他の走者は妨害発生時に達していた塁に戻ら

     なければならない。

   (2)次打者が飛球に対する守備を妨害したときは、打者走者はアウトになり、

     他の走者は投球時に占めていた塁に戻らなければならない。

 

7-2項  打撃の順序

  1.各チームの打順(バッティングオーダー)は、打順表(ラインアップカード)

   に記載され、試合前に球審に提出しなければならない。

  2.攻撃側のプレイヤーは、打順表に記載された順序で打者にならなければならな

   い。また、打順は試合の途中で 変更することはできない。

    プレイヤーの交代を行うときは、交代者は交代したプレイヤーの打順に入らな

   ければならない。

  3.各回(イニング)の先頭打者は、前の回に打撃を完了した打者の次の打順の者

   である。

  4.打者の打撃中に第3アウトが成立して、その回が終了したときには、その打者

   が次の回の先頭打者になる。

  〈効果〉 2項

    打撃の誤りはアピールプレイである。守備側の監督・コーチ、あるいはプレイ

   ヤーによってのみ行うことができる。(ボールデッド中でもできる)

    守備側チームは、すべての野手が守備位置からベンチへ向かってフェア地域を

   離れたとき、打順誤りに対するアピールの権利を失う。

   (1)不正位打者が打席に入っている間にアピールされたときは、

     1)正位打者が打席に入って不正位打者のボールカウントを引き継ぐ。

     2)不正位打者の打撃中の走者の進塁・得点は、全て有効である。

   (2)不正位打者の打撃が完了し、次の打者に対して投球動作に入る前

     (正・不正にかかわらず)にアピールされたときは、

     1)不正位打者の打撃によるか、その打者が失策・四球・死球などで出塁し

      たことによる走者の進塁および得点はすべて取り消される。ただし、違反

      発見前のアウトは取り消されない。

     2)打順を抜かされた正位打者がアウトになる。

     3)次の打者は、打順誤りのためにアウトを宣告された打者の次の打順の者

      である。ただし、次打者不正位打者でアウトになった打者のときは、さら

      に次の打順の者になる。

     4)打順誤りのアピールで第3アウトが成立したとき、次の回の先頭打者は

      打順を抜かされてアウトになった打者の次の打順の者である。

   (3)次の打者に対して投球動作に入ったのちは、打順誤りのアピールの権利を

     失い、アウトは宣告されない。

     1)不正位打者の打撃は、全すべて有効である。

     2)すべての走者の進塁および得点は認められる。

     3)次の打者は、不正位打者の次の打順の者である。

     4)打順を抜かされた打者は、正しい打順が回ってくるまで打席に入ること

      はできない。

     5)不正位打者が走者になっているときに、正しい打順が回ってきても、

      その占有する塁にとどまる。

  (注)塁にとどまった走者は自分の打席を失い、このときの正位打者はこの走者の

    次の打順の者である。

 

7-3項  打撃姿勢

  1.打者は球審が“プレイ”を指示したのち、10秒以内に打撃姿勢をとらなけれ

   ばならない。

  〈効果〉 1

   (1)ボールデッド。

   (2)打者に対してワンストライクが宣告される。

  (注)投手が軸足を投手板に触れたのち、打者が「タイム」を要求しないで打席を

    外し、投手が投球したときは、「ストライク」または「ボール」が宣告される。

  2.打者は投球がはじまるときは完全に両足を打者席内に置かなければならない。

   打者の足が打者席の線に触れてもよいが、投球前に足の一部を打者席の線の外側

   に出してはならない。

 

7-4項  ストライク

  1.正しい投球が地面につく前にストライクゾーンを通過したとき。

  (注)「ストライクゾーン」は、打者が打撃をしようとするときの脇の下と膝頭の

    上部の間の本塁の上方空間である。

  2.正しい投球を打者が空振りしたとき。

  3.ファウルチップになったとき。

  〈効果〉 1~3

      ボールインプレイ。

  4.ツーストライクになる前に打球がファウルボールになったとき。

  5.投球が空振りされ、打者の身体のどの部分にでも触れたとき。

  6.ツーストライクになる前に、打者席内にいる打者に打球が当たったとき。

  7.ストライクゾーンで投球が打者に触れたとき。

  8.球審がプレイを指示したのち、打者が10秒以内に打撃姿勢をとらなかったと

   き。

  (注)投球しなくても打者に対してワンストライクが宣告される。

  〈効果〉 4~8

      ボールデッド。

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7-5項  ボール

  1.投球がストライクゾーンを通過しなかったとき。

  2.投球が本塁に達する前に地面に触れ、打者が振らなかったとき。

  〈効果〉 1~2

      ボールインプレイ。

  3.不正投球が宣告されたとき。

  〈効果〉 3

      (1)ボールデッド。

      (2)走者に1個の安全進塁権が与えられる。

  4.規定の準備投球数を超過したとき。

  〈効果〉 4

      (1)ボールデッド。

      (2)1球ごとに打者に対してワンボールが宣告される。

  5.捕手が無走者のときに投球後の球を投手へ直接返球しなかったとき。

  〈効果〉 5

    ボールインプレイ、ボールデッドにかかわらず、打者に対してワンボールが

   宣告される。(ルール6-6項2参照)

  6.投手が球を受けるか、球審がプレイを指示したのち、20秒以内に投球をしな

   かったとき。

  〈効果〉 6

    不正投球ではなく、ボールデッド。

 

7-6項  打者がアウトになる場合

  1.打者が空振りして第3ストライクになった球が、打者の身体の一部に触れたと

   き。

  〈効果〉 1

    ボールデッド。

  2.第3ストライクが捕手に正しく捕球されたとき。

  〈効果〉 2

    ボールインプレイ。(走者は進塁できる)

  3.無死または一死で、一塁に走者がいて、打者が第3ストライクになったとき。

  〈効果〉 3

    ボールインプレイ。(走者は進塁できる)

  (注)無死または一死で一塁に走者がいないとき、または二死のときは走者が一塁

    にいても、捕手が第3ストライクを捕球できなければ、打者には一塁に進む権

    利がある。(3ストライクルール)

  4.打者がツーストライク後にバントした打球が、ファウルボールになったとき。

   (スリーバントアウト)

  【例外】ファウル地域でバント飛球を捕ろうとしている野手を走者が妨害したとき

     は、その走者はアウトで、打者はファウルボールで打撃を継続する。

  5.打者が片足でも完全に打者席の外に踏み出したり、本塁に触れたりして打った

   とき。

  (注1)打者席の線は打者席に含まれる。

  (注2)「不正投球」を「不正打球」したときは、「不正投球」が優先する。

  6.打者が打者席外に足を完全に踏み出し、再び打者席内に戻って投球を打ったり、

   バットに当てたりしたとき。

  (注)バットに当たらなかったときは、不正打球にはならず、ボールインプレイで

    ある。

  7.打者がバットを手から離して打ったとき。

  8.打者が不正バット(未検定のバットを含む)を持って打者席に入ったとき。

  〈効果〉 4~8

   (1)ボールデッド。

   (2)打者アウト。(走者は進塁できない)

  (注)「不正投球」を「不正バット」で打ったときは、打者が投球前に打者席に

    「不正バット」を持ち込んでいるのでアウトになる。

  9.打者が変造バットを持って打者席に入ったとき。

  〈効果〉 9

   (1)ボールデッド。

   (2)打者アウトで退場。(走者は進塁できない)

  10.打者が投手の両足が投手板に触れたのち、反対側の打者席に移ったとき。

  〈効果〉 10

   (1)ボールデッド。

   (2)打者アウト。(走者は進塁できない)

  11.打者が打者席外に足を踏み出して、捕手の捕球や送球を妨害したとき。

  12.打者が打者席内にいても、故意に捕手を妨害したり、本塁上のプレイを妨害し

   たとき。

  13.打者が打者席内または打者席外で故意に送球を妨害したとき。

  〈効果〉 11~13

   (1)ボールデッド。

   (2)打者アウト。

   (3)各走者は審判員の判断により、妨害発生時に占めていた塁に戻らなければ

     ならない。